消化管の微生物叢を健康に保つことによって、心身の健康をはかるという考え方は、多く人々の支持を得ています。そのためには乳酸菌などを摂取することが推奨され、このことを裏付ける種々の研究がなされてきました。
近年は、大手企業もこの分野に続々と参入し、多くの新商品が発表され市場で流通されています。しかし、その殆どは、ビフィズス菌またはラクトバシルス属の乳酸菌を利用した乳酸菌飲料やヨーグルトタイプのものか、タブレットやカプセル、顆粒などの健康食品です。
しかし、有用な菌はこれらに限られたものではありません。他にも、例えば、エンテロコッカス属乳酸菌をはじめ、クロストリディウムやプロピオン酸菌などいくつもありますが、一般にはよく知られておらず、こうした菌の認知度の向上もはかっていかなければなりません。
このためには、腸内細菌や乳酸菌などの系統的知識の普及とともに、同時に、多くの有用な菌を日常生活の中に取込み利用しやすい形態を種々工夫し開発してゆくことも、人々の関心を呼び起こすことにつながり、重要であると考えてきました。昨年(2008年)、私共は、関係する方々の協力により、乳酸菌或いはビフィズス菌と納豆菌とが共存発酵した納豆を開発、製品化に到りましたが、これを期に、主として有用ながら認知度の低い菌について、その利用形態を含め様々な面から普及に努めることを目的として本協会を設立しました。 |